税理士の今月のつぶやき

2024年2月のつぶやき


先日、事務所の研修会で「外国人技能実習生制度」について学ぶ機会がありました。技能の習得状況に応じて日本での滞在期間が決定されること、受け入れ可能な職種、そして来日前後での教育の状況など詳細を説明いただきました。増加する外国からの人材に対する支援者としての側面から、大変勉強になりました。当所関与先でも、外国人技能実習生に限らず既に多くの外国人を受け入れており、さまざまな職場で外国人が活躍されている事を感じています。特にコロナ禍後に初めて外国人を受け入れた企業では、労務としての貢献以外に、企業内活性にも大きな効果が出ているようです。日本人社会の中で、異文化体験を持つ外国人は企業に新しい価値観をもたらしているようです。10年後には日本の就労者の10%以上が外国人になるとのことです。実は私自身も20年前のイギリスで「外国人」として就労をしていました。当時のイギリスでは出身国によって就ける職業も制限されており、EU内の人材、アジアの人材、アフリカの人材、インドの人材と明確に区分されていると感じました。数年前に当時の外国の友人と会う機会があり、既に子供も成人し二世達が就労していました。

     南事務所所長 市村より       イギリスで生まれ、イギリスの教育を受けた彼ら彼女ら二世は、イギリス人として社会の中枢を担う仕事に就い

                       ています。グローバル化する人材とその二世達、20年後の日本の姿が見えてくるように思います。   

    

2024年1月のつぶやき

2024年のキーワードの一つに「ダイバーシティ経営」があると思います。ダイバーシティという言葉自体は、聞く機会が増えて久しいと思います。これまでは、性別や国籍に捉われない平等な取り扱いを、というニュアンスが強かったと思いますが、より積極的に、多様な人材を企業経営にとり入れて強みにしていかなければならない、というのが今後求められるダイバーシティ経営だと認識しています。そのために必要となるのは、多様な働き方を受け入れることができる企業としての懐の深さ、課題やイノベーションに対して、チームで柔軟な議論ができる企業風土、そしてこうした姿勢を明確にして組織に浸透させるリーダーシップだと言われています。都度生じる課題に対して、異なった価値観で議論や役割分担をすることで、新しい発想が創出されイノベーションも生まれやすくなるようです。多様な人材を受け入れるということは、直接的に人材不足を解消するための手段でもあります。各種統計調査によれば、ダイバーシティへの取り組みを打ち出し、体制整備をしている企業ほど、求職の頻度や定着率が高いとの結果もでているようです。私たちも、一人一人が輝き活躍できる会社づくりを支援していきたいと思っております。本年も、どうぞよろしくお願いいたします。


     西事務所所長 山田より

2023年12月のつぶやき

先月、東京で開催されましたアジア・オセアニア タックスコンサルタント協会(AOTCA)東京会議に参加し、税金に関する国際的課題について学ぶ機会を持ちました。言わずもがなですが、税金は国家の財政を担う根幹となるものであり、今日のように国をまたいだ経済取引が増加しますと、各国間での合意がなければ、熾烈な税の奪い合いが起こってしまいます。特にインターネットを通じた役務提供(サービス)活動は、経済取引が生じた国に拠点を置かずとも行えてしまいますので、課税することが難しい現状があります。ネット社会に身を置く私たちの支出の多くは、無意識のうちに国外企業へ流れ、日本の税金が課税されないまま利益が海外へ移転していく現状があります。2024年から世界中で始まりますデジタル課税への取り組みに各国が注目している事をAOTCA東京会議で感じることが出来ました。

余談ですが、会議の合間の懇談がとても楽しかったです。韓国の方からは「デジタルインボイス導入から10年が経過し、税計算がすっかり楽になった」「2年前に日本のふるさと納税に倣って韓国でも導入された」という話を、またモンゴルの方からは「日本は男性の税務専門家が多くて驚いた。モンゴルは昔から男性は馬に乗って狩りに行き、お金の計算は女性の仕事」という話を聞き、各国のお国柄を知ることが出来ました。税金にはお国柄も出るのでとても興味深いです。

      南事務所所長 市村より

2023年11月のつぶやき

「船が帰ってくれば支払いができる」。14世紀のヴェネツィア商人は、こんな先行きの見えない商売を安定化させたい一心で、現在の会計の原点といる複式簿記の仕組みを生み出しました。バンコ=現在の銀行が起こったのもこのころで、商人は複式簿記を駆使して、想定される利益額で借入金を返済していける見込みがあることを数値化。資金を調達して戦略的に船を購入し、また現地での仕入れ資金を確保しました。貸借対照表と損益計算書等の帳票もこの時に原型ができたと言われています。

インボイス制度や電子取引データ保存等、税務に関する制度対応が忙しい昨今において、帳簿の信頼性、そして税法等への適法性の確保は重要な課題となっています。これは言い換えれば「帳簿には証明能力・証拠力がある」という帳簿が有する機能の一つを強化しなければならないというテーマです。一方で、帳簿にはもう一つの重要な機能があります。「自己報告機能」です。つまり、経営管理に役立てるための機能とういことで、それは過去の分析だけでなく、将来に向けた意思決定に役立てるべきものとして、現代に至るまで世界各国で利用され、発達してきました。制度対応は、経営判断に役立つ「信頼できる帳簿」を手に入れ、より戦略的に会計データの活用を検討するチャンスでもあります。

     西事務所所長 山田より

2023年10月のつぶやき

 今年の夏は体温を超えるような気温が続き、まさに『酷暑』でした。ハワイでの火災報道などを観ると、「待ったなしの地球温暖化の進行」という人為的自然環境破壊が心の中の不安を増大させます。そのような中、「資本主義の次に来る世界~少ない方が豊かである」(ジェイソン・ヒッケル著)を読み、「資本主義 を前提とした成長志向は生物界を破壊する。支配と搾取から、生物界との共存社会への移行が必要であ る」という著者の主張に大きく賛同しました。一番印象に残った、この本の最後に書かれている言葉を 紹介します:「わたしたちはここで何をしているのか?どこへ行こうとしているのか?それは何のためなのか?人間が存在する目的は何なのか?成長主義は、わたしたちが立ち止まってこれらの疑問につい て考えること自体を阻むのだ。わたしたちは我を忘れ、あくせく働き、深く考えようとせず、自分が何をしているか、周囲で何が起きているのかに気づかず、自分が何を、そして誰を犠牲にしているのかに気づかない」 

 10 月からインボイス制度が導入されました。制度導入の目的は何か。どのような未来を私たちは作ろうとしているのか。本来の姿を見失わないようにしなければならないと強く感じます。

     南事務所所長 市村より

2023年9月のつぶやき

インボイス制度が101日からはじまります。実務的な対応は、事務所セミナー等で述べてきた通りですが、こうした税務の動きは何を表しているのでしょうか。インボイス制度の「インボイス」とは、商品・サービスの販売に関する取引の詳細を記載した書類であり、一般的に売り手が発行する書類です。世界においては、商取引上一般的に取り交わされるもののようですが、最近の潮流では、電子インボイスが主流となり行政機関のポータルに送信することで利用されているということです。

このインボイスの電子化が表すように、世界の税務は、行政における「データ」の収集と活用が大きく進み、規模の大小を問わずに、企業及び個人納税者の税金が未納となるような「タックス・ギャップ」は、今後劇的に小さくなっていくと言われています。消費税におけるインボイスの採用や確定申告におけるマイナポータルの活用等は、こうした動きの一端に他ならないでしょう。

では私たちはどうするべきか。我々自身もITAIを駆使して、会計情報を経営に生かすべきです。行政におけるデータの活用が進んでも、未来の税金へのアプローチは変わりません。今後の投資とタックスプランとを 一緒に考えていきましょう。

     西事務所所長 山田より

2023年8月のつぶやき

 ここ数か月の間に、仕事上の関係者や友人、海外からの留学生と話していて、ChatGPTGoogle翻訳について話題に上がることが増えてきました。コロナ禍が一段落し、経済活動が活気を呈してきたことで新たな動きが出てきたからでしょうか。ChatGPTについては、使用する方の専門に応じてその使い方が多様なことに驚きます。ビジネス定型文書作成、プログラムのコーディング検証、論文の校正、マスコミへのプレスリリース文書作成など。友人のひとりは、仕事上の悩み相談をChatGPTにしていると言っていました(!?) それぞれの専門に応じて、ガイドラインに基づいた使用を皆さん心がけていらっしゃるようです。

また、海外顧客との情報伝達にGoogle翻訳などを活用されている方も増えています。お互いに英語ネイティブでない方同士の場合、翻訳ソフトを用いての会話であることを了解した上でのやり取りが多いようです。これらのソフト活用のポイントは、「伝えたい内容が決まっている事」「形式を整え、思考を整理する補助としてソフトを利用すること」になります。まずは、簡単な内容から使ってみることで、新しい世界が広がるかもしれません。 

     

     南事務所所長 市村より

2023年7月のつぶやき

NHKの番組「いいいじゅー」が面白いです。この番組は、「新たな土地でチャレンジするイマドキ移住者たちの奮闘記」(番組紹介HPより)という内容ですが、その取り組みが型にはまっていなくて興味深いです。海の美しさに魅せられた女性は、ダイビング「ゴミ拾い」ツアーをビジネスとして立上げました。「実績が上がるほど、大好きな海が綺麗になっていく」というわかりやすいモチベーションが印象的です。拾ったゴミのリサイクルまで考えられていて、事業としての継続性がしっかり確保されています。 

はたまた、仏像修理師を志した女性3人組は、移住先の伝統産業である木工の設備に着目。工場に“間借り”して、挑戦を続けているとか。経年劣化による塗装の剥がれはそのままに、毀損部分だけを技術を使って直していくスタイルも、奥行きの深いものを感じました。ニッチな市場に着目した、これも納得の事業展開です。地域の資源というのは、外側から見たときに新たな可能性が見つかりやすいのかもしれません。きらきらと輝く移住者たちだけでなく、彼らを受け入れ、支援をする地域住民の笑顔もとても印象的です。ビジネスのヒントが見つかるかもしれません。皆さんも是非ご覧になってください。

     西事務所所長 山田より

2023年6月のつぶやき

  昨年の秋から、毎月1回週末に中央大学で開催される「税理士のための法律講座」に通っています。税理士登録後は実務を中心に忙しい毎日ですが、月に1回実務から離れて、改めて法体系を学ぶとともに、税に関する新しい裁決事例の研究等を行っています。自身の専門分野である税金について、改正の動向やその立法の趣旨などを学ぶことで、これからの社会の構造変化を一足早く感じ取ることができます。 

また、全国から集まる税理士と集合形式で行われる対面講義では、休憩時間に行われるちょっとした情報交換も社会の流れを感じ取れる良い機会になっています。全国各地での新規起業の動向や観光客の増加傾向、コロナ後の地域企業の取り組みなど、それぞれ地域ごとに特色が出ていて、大変参考になります。

さて、昨年に引き続き6回シリーズの経営者セミナーを弊所主催で企画しました。各分野の専門家から発信される情報に耳を傾けていただくことで、新しい可能性に気づくことが出来るかもしれません。ぜひ、チャレンジしてみてください。多数の皆様のご参加をお待ちしております。

                南事務所所長 市村より

2023年5月のつぶやき

身近なDX事例を紹介いたします。飲食店等の店舗においては、数年前からスマートレジシステムが普及してきました。タブレット端末をタッチして操作する“○○レジ”といった各種サービスです。操作レスポンスが少し悪く、レジが集中すると行列になりやすい等のデメリットも言われておりましたが、安価に導入できる、管理画面から経営分析ができる等といったメリットが勝り普及してきたと認識しています。

しかしながら、現況をみるとお店自らがアクセスできるこれらのデータが、あまり活用されていないことに気づきました。そこで、レジデータを、日々お店の戦略情報にする仕組みの構築を支援しました。管理サイトからデータを取り出し、お店用にカスタマイズした日次管理表に落とし込みます。前日の顧客数、目標売上高の達成度合い、戦略商品の販売動向、商品ランキング、来店ピーク等を把握できますので、日々の改善、対応に活かされます。また、元々はレジデータですので、これを仕訳データへ変換することで、複雑な軽減税率に対応した経理処理が数クリックで完了できます。付加価値を高める日次管理と、経理の省力化を同時に可能にした“DX”といえます。詳細は、是非お問い合わせください。


     西事務所所長 山田より

2023年4月のつぶやき

 新型コロナ感染症拡大から3年が経過し、漸く社会がポストコロナに向けて動き出しました。この間、働く方々の価値観が、「仕事におけるキャリアプランと自身の健康管理を含むプライベートの充実をいかに両立させるか」という方向に大きく変わったことを感じております。

弊所(税)ながおか会計の取り組みについて手前味噌ではありますが、ご紹介させていただきますと、大きく以下の3点が挙げられます:

1)社員個々のキャリアプランの立案とフォロー体制のためのチーム制導入

2)事務所が求めるスキルと役割を明確にするための役割制の導入

3)人材育成を通じた企業理念達成のための人事制度の確立

上記につき、労務の専門家に指導を仰ぎながら、次世代リーダーの皆さんと共に取り組んでおります。改めて皆で「働くとは」「事務所が求める人物像とは」「関与先へ提供できる付加価値とは」について考える機会を得て、「企業理念達成に向けた社内体制づくり」に向かっていけると感じました。  

   地域企業が直面する課題は多々ありますが、なんといっても働く方々から支 持されなければ、事業そのものが立ちいかなくなります。

   まずは経営者の皆さんと労務について考えていきたいと思います。

                南事務所所長 市村より

2023年3月のつぶやき

 令和5年度税制改正大綱では、昨年に引き続き「成長と分配の好循環」の連鎖を生み出していくためのメッセージが込められた各種税制の見直しがはかられました。その中でも、「日本社会に希望は多く眠っている。」として、金融資産や全国津々浦々の地域資源、そしてそれらを成長力に振り向けられる人材に着目しているところが特徴的といえます。スタートアップを支援する税制や企業の研究開発を活性化させるための制度の拡充・見直しは、ここのところ毎年のこととなっていますが、今回はそれに加えて企業の学校教育への関与を促す寄付金税制や、博士号取得者等の研究人材を新たに採用した場合のインセンティブが拡大されるなど、企業による先導的な人材投資を促す税制が措置されました。中小企業が活用しようとした場合には、やや現実味に欠ける内容でもありますが、人材への投資について、学校教育からのつながりを意識した内容はこれまでにない切り口だと思いました。

税制は経営判断に一つの要素にしかすぎませんが、税制改正大綱に込められたメッセージを通じてこれからの経済を俯瞰することができます。地域や中小企業での活用を考えていきたいと思います。

     西事務所所長 山田より

2023年2月のつぶやき

 今年の冬は年末早い時期に大雪に見舞われ、当所が所在する長岡市では12月19日から21日の3日間は鉄道・道路が麻痺し、ほぼ事業活動が停止した状態になりました。会計事務所はこの時期、関与先の従業員給与につき年末最後の支給である12月給与と賞与、そして年末調整業務に追われています。昨今の年末調整業務はオンラインでのデータ共有によりだいぶスムーズになりましたが、従業員さん一人一人につき確認が必要な事項もあり、関与先企業の経理担当者とともに確認しながら骨の折れる作業です。当所関与先企業が抱える従業員数(給与源泉徴収票発行数)はおよそ1,800人に上りました。給与所得者1人につき2人の家族がいると仮定しますと5,400人の生活の糧を当所関与先企業が稼ぎ出しています。そう考えると大変感慨深いものがあります。

 現在、政府では春の昇給に向けて賃上げ政策を推し進めています。全国民に占める中小企業従事者は約7割。地域企業の1社1社が雇用の受け皿であり、働く人たちの豊かな生活のために、利益を上げ続ける不断の努力が必要だと感じております。大企業並みの賃上げが難しくとも、拡充されるNISAやiDeCoといった税制優遇措置を皆で活用して税の恩典を受ける知恵も必要だと感じます。新しい税制について会計事務所からの情報発信にも注目してください。

               

      南事務所所長 市村より

2023年1月のつぶやき

 千葉県銚子市に本社を置く銚子電気鉄道は、銚子駅と関東最東端の犬吠埼付近を結ぶ6.4Kmの小さな鉄道路線を運営しています。同社は、人口減少や親会社の破綻等、幾多の経営危機を迎えましたが、創意と工夫そして地域インフラとしての使命感で、乗り切ってこられました。代表的な取り組みは、地域の特産醤油を活用した「ぬれ煎餅」の製造販売。電車を走らせるための必死の販促は、まだSNSもなかった当時でも全国に広がり、共感や支援のための購入依頼が多数寄せられたとのことです。副業だった米菓事業は、今は、全体の過半を占めているとか。現社長の竹本勝紀氏から直接お話を伺う機会がありましたが、地域の鉄道は地域資源の広告塔だという役割を明確に感じられており、地域貢献という視点から、次々と新しい商品・サービスを生み出しています。その全てに、本気の姿勢と会社の一体感が感じられます。奇跡の「ぬれ煎餅」をご賞味いただければ、高品質で、本気で作られたものだということがすぐにわかります。「何ができるか、考え続けることが必要」と同氏。変革の時代、自らできることを考え続けてまいりましょう!

    

     西事務所所長 山田より