TKCと直接連動できないレジシステムや販売管理システム等をお使いの場合、経理仕訳を手入力していたりしませんか。
TKCの会計ソフトは一部のソフトを除き、外部から仕訳データを読み取る機能が搭載されています。そして、連携データはエクセル等の汎用ソフトでも作成することができます。もし、システム内に売上データ等をCSVファイルやエクセルファイルとして切り出す機能がついていれば、そのデータを変換することでTKC会計ソフトへ読み込むことができます。変換作業は、事前にエクセル等で作成した変換ファイルを使うことで、基本的にはデータをエクセルに貼り付けてボタンを押すだけ、といった操作感覚で完了することができます。
上図を見て、これだけなら「仕訳1枚くらいなら手で打ってもそんなに変わらないな。」と思うかもしれませんが、連携を駆使することで作業時間を減らしながら、詳細なデータを計上することが可能になります。従前は月末に集計した売り上げを仕訳1枚で計上していたものを日々計上したり、売上の種類ごとに計上することが時間を掛けずに出来るようになります。
仕訳連携を駆使して業務の効率化と高度な業績管理が出来る体制を構築していきましょう!
前回は、改正電子帳簿保存法の概要を振返りましたが、今回は、この法律により義務化された電子取引の電子データ保存などについて確認していきましょう。
<電子取引とは?>
「取引情報」*1の受け渡しを電子的方法により行う取引をいいます。具体
的には、EDI取引*2、インターネット等による取引、電子メールで取引情報
を受け渡しする取引(添付ファイルによる場合を含む)、ネットサイトで取引情
報を受け渡しする取引等をいいます。
*1 「取引情報」とは、取引に関して受領し、または交付する注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書類に通常記載される事項のことを指します。
*2 EDI(Electronic Data Interchange)とは、企業間において、取引情報(発注書、納品書等)を専用回線やインターネットを通じて、電子でやり取りするシステムのことです。
<電子取引データの保存場所は?保存期間は?>
電子取引データの保管場所と保存期間は、国税関係書類(取引関係書類)が作成、受領された日本国内の事務所または納税地において、法人事業者の場合7年(欠損金の繰越控除を受ける法人は最長10年間)、個人事業者の場合5年間となります。また、真実性を確保する観点から、一定の条件を満たす形式で電子データのまま記憶媒体に保存しておく必要があります。
保存に用いる記録媒体として、例えば、電子メールにより取引情報を受け渡しする取引(添付ファイルによる場合を含む)を行った場合、電子取引に該当するため、その取引情報に係る電子データの保存が必要となります。
この電子データの保存とは、「電子メール本文に取引情報が記載されている場合は電子メール」「電子メールの添付ファイルにより取引情報(領収書等)が受け渡しされた場合は添付ファイル」を、ハーディスク、コンパクトディスク、DVD、磁気テープ、クラウド(ストレージ)サービス等に記録・保持することをいいます。取引情報の含まれていない電子メールは保存の必要はありません。
<いつから行わなければならないのか?>
令和4年1月1日以後、電子取引を行うすべての事業者に適用されます。ただし、令和5年12月31日までは宥恕期間となっており、準備ができ次第施行することとなっています。
改正電子帳簿保存法が令和4年1月1日から施行され1年が経過しました。現在は、この法律については一部、宥恕期間が設けられていますが、その期限も残りあと1年(令和5年12月31日)となりました。そこで、今月、来月の2回シリーズで改正電子帳簿保存法についてお知らせします。まず、1回目の今回は、この法律の概要を紹介します。
<電子帳簿保存法の改正>
電子帳簿保存法(電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律)は、原則紙での保存が義務付けられている帳簿書類について、電磁的記録(※)で保存をするための要件や、電子データでやり取りした取引情報の保存義務などを定めた法律です。
当該法律に係る電子帳簿保存とは、図表1のように3つに区分され、「電子帳簿・電子書類保存」及び「スキャナ保存」は、法律上任意ですが、「電子取引」ついては、すべての法人・個人事業者において、法律上強制適用となります。もし対応しない場合には青色申告の承認が取り消される可能性があります。
※電磁的記録
記録媒体上に記録・保存された電子データのこと。「電子的方式・磁気的方式その他の人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるもの」と法律で規定されています。
適格請求書等保存方式(インボイス制度)の施行まで1年を切りました。自社の請求書について対応はできていますでしょうか?新たに請求書システムの購入を検討されている方もいるかもしれません。
そこで弊所からのご提案です!
販売管理機能はインボイスへの対応ができると共に、電子帳簿保存法への対応も万全です。その他に販売管理機能を使えば、見積から売上・請求・入金まで、販売に関する一連の業務を管理して、事務負担を軽減することができます。
そして、販売管理機能に計上した売上・仕入等の仕訳を会計システムに連携することができます。そのため、ミスのないスピーディーな業務を実現できます。
また、クラウドでの使用のため、複数人で請求書を作成することも可能です(会計データを見られたくない場合は販売管理機能のみを操作する方法もあります)。
会計・販売管理機能の両方がクラウドで使用できるため在宅での処理も可能です。この機会に会計のクラウド化と販売管理機能の利用を検討してみてはいかがでしょうか。
上記のような悩みをお持ちではないでしょうか。経理事務は書類が多く煩雑になることも多いかと思います。特に経費精算については次の図のような流れになるのではないでしょうか。
企業によっては①でレシートを受領したらそのまま経理に渡すケースもあるかと思います。ただどちらにしてもレシートを紛失してしまう可能性があります。また、②から③のフローにかけて精算書の作成が遅く会計を締めた後に2,3ヶ月前のものが出てくるということも起こる可能性があります。
そこでオススメなのが証憑保存アプリ「TDS」です。これはお店で受領したレシートや仕入請求書などをデータ形式にして保存することができる機能です。また、従業員のスマートフォンやタブレットにアプリを入れることで外出先でもレシートを撮影して証憑保存することができます。これができればレシート紛失の心配も無くなりますし、会計への仕訳計上もリアルタイムに近い状態で可能となります。
さらにTDSには画像を文字として認識する機能であるAI-OCRがついているので、画像から仕訳を計上することも可能となります。(現段階で文字認識精度は100%ではないため少しの手直しは必要です)
経費精算システムはCMなどでよく目にすると思いますが、それらを導入せずともTDSを使えば問題ありません。弊所では会計システムのオプション機能として税抜2,000円(注)からご提供しております。
経理業務の効率化を図るとともに、令和6年1月から始まる電子取引データ保存にも対応するために、TDSを導入し早めの準備をすることをオススメいたします。
(注)料金については監査担当者へご確認ください。
免税事業者からの課税仕入はどうなるの?【免税事業者経過措置編】
免税事業者からの課税仕入れについては、インボイス制度開始後6年間は、仕入税額控除が制限されますが、その全てが控除できなくなる訳ではありません。
買手側がインボイス制度開始後、免税事業者との取引において、仕入税額控除ができないことを理由に、一方的に取引価格の引き下げや取引の打ち切りを通告することは独占禁止法又は下請法上、問題となるおそれがあります。
そのため、取引価格の再交渉においては、この仕入税額控除が制限される分等を考慮した上で、双方納得のうえ取引価格を設定する必要があります。
免税事業者との取引価格の見直しに当たっては、「優越的地位の濫用」に該当する行為を行わないよう十分に協議を行っていただき、インボイス制度開始前に取引価格の設定を行う必要があります。
(当該記事は、令和4年9月時点の法令によります)
口座振替の家賃のインボイスはどうなるの?【賃貸借契約書編】
インボイス制度とは、2023年10月から導入される新しい仕入税額控除の方式です。インボイスを受け取れない場合に仕入税額控除ができなくなります。その中で、賃貸借契約に基づきに口座振替の家賃の支払い等はどうなるのでしょうか?
★請求書がなく、仕入税額控除の要件満たすには下記の保存が必要です。
①
登録番号等の必要事項が記載された書類(→賃貸借契約書等)
②
引き落としされた通帳の保存
★書類の記載必要事項
① 登録番号(インボイス番号)
② 適用税率
③ 消費税額等
賃貸借契約書の再作成、又は、追加情報がある旨を記載した書類の収集若しくは発行を行い、インボイスの条件が満たされているかどうかの確認を行う必要があります。早めの準備が大切ですね!
値引き、振込手数料相殺のインボイスは?【適格返還請求書編】
返品、値引き、割り戻し、売上割引、販売奨励金等、いわゆる売上に係る対価の返還があった場合、適格返還請求書を交付する必要があります。こちらは、インボイスに含めて一つの書類で提出する事もできますし、別々で発行する事もできます。また、インボイスに含めて交付する場合は、差し替えによる発行なのか、翌月に繰り越しての発行なのかの検討が必要です。
特に実務において、高頻度で発生するものが振込手数料分の値引きになります。振込手数料を売手側が負担した場合、その振込手数料分の値引きは、適格返還請求書を発行しなければなりませんので、注意と対応が必要になってきます。ご不明な点等がございましたらお気軽にご連絡ください。
Point2 今回控除する社会保険料は何月分になるのか?
今回控除する社会保険料は、何月分なのか?
新入社員の初めての給与計算、退職社員の最後の給与計算、社会保険料の変更の場合等、状況によっては「何月分」を「いつ」から控除するのか、混乱してしまうときがありますね。自社の「控除する」タイミングと「何月分」の社会保険料を徴収するべきかを確認することが重要です。
次の例を見ると、イメージしやすいのではないかと思います。
<例1>社会保険に加入したとき
【給与〆・支払い】15日〆・当月25日支払い
【加入日】8/16(8月分より社会保険料発生)
①
翌月徴収
・8月分社会保険料:9/25支給給与から控除
・9月分社会保険料:10/25支給給与から控除
② 当月徴収
・8月分社会保険料:9/25支給給与から控除(※8/25での給与支給がないため)
・9月分社会保険料:9/25支給給与から控除
<例2>社会保険料が変更になったとき
【給与〆・支払い】15日〆・当月25日支払い
【変更月】9月(9月分より社会保険料変更)
① 翌月徴収
・9月分社会保険料:10/25支給給与から控除
② 当月徴収
・9月分社会保険料:9/25支給給与から控除
給与計算時に不明点等ございましたらお気軽に監査担当者にお尋ねください。
また、社会保険料について不明点等がある場合は社会保険労務士にお問い合わせをお願いいたします。
社会保険料の「控除する」タイミング
一般的に「健康保険料」「介護保険料」「厚生年金保険料」「雇用保険料」のことをまとめて『社会保険料』と呼んでいます。この『社会保険料』は、半分を会社が負担し、もう半分は従業員本人が負担(労使折半)して、合わせた社会保険料を会社が納付しなければなりません。(※納付期限は、翌月の末日です)
このため、従業員本人が負担する社会保険料については、会社がその従業員に支払う給与から、毎月控除する必要があります。この控除するタイミングというのが、会社毎で異なるため、混乱される経理担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんなときは、次のポイントをチェックしてください!
Point1 自社の「控除する」タイミングはいつになるか?
自社の控除するタイミングはいつか?自社の控除するタイミングが、以下のルール①②のどちらなのかを、まずは確認してみてください。
PX2または、あんしん給与を活用している場合には、社会保険料に係るマスタ設定がどう設定されているか確認が必要です。
① 『翌月徴収』
今月分の保険料を、来月の給料日に支給する給与から控除します。
② 『当月徴収』
今月分の保険料を、今月の給料日に支給する給与から控除します。
Point ②につきましては、次号にて解説いたします。
令和4年1月1日以後に行う電子取引の情報については従来の書面による保存をもって電子取引データの保存に代えることはできず、データ保存が義務となります。(※1)まずは下記の2つを行いましょう。
➀取引先との間で受け渡ししている電子取引データを洗い出す
②「専用のソフトウェアを利用」する方法と、「一定のルールを定めて任意のフォルダに保存」のどちらを選ぶか検討する
電子取引データで取り扱う請求書や領収書等は、自社の経理業務と密接に関わっています。このため、電子取引データの専用ソフトウェアを導入した結果、経理業務の負担が増えないか、事前によく確認しましょう。なお、TKCのFXシリーズを導入されている企業は(※2)「証憑保存機能」をご利用いただくことで、電子取引にもスムーズな対応が可能となります。保存方法や対応策でお悩みの企業は「証憑保存機能」の利用をご検討ください。
(※1)令和4年度税制改正大綱において、令和5年12月31日までの2年間における電子取引に関しては、「やむを得ず保存要件を充足できなかったとしてもその保存を認める」という宥恕措置が設けられました。
(※2)「証憑保存機能」の利用にあたってはFXシリーズの導入が必要です。また、データの保存量に応じて保管料が発生します。