建設業経営への取り組み

     建設業を行う企業にはDAIC2、DAIC3(建設業用会計情報データベース)を導入しています。D A I C 2は、取引の入力時に工事情報を追加するだけで、財務諸表の作成だけでなく、建設原価計算が簡単にできます。会計帳簿と現場別工事台帳を同時に作成できるので効率的であり、現場部門と経理部門を結びつけ、「業績管理の強化」と「経理の合理化」を同時に実現します。


会計伝票

現場の材料費、外注費、労務費等、直接工事原価は

「未成工支出金」科目に計上します。その際、工事

ごとに費目、内金額を入力します。仕訳が計上され

るごとに工事台帳が自作成されます。間接工事費に

ついては指定した基準で自動配賦します。

工事が完了した際には、完成工事高の計上と完成工事

原価の振替仕訳を計上します。




       

要約工事台帳


上記会計伝票から入力した情報が現場要約工事台帳と

して現場ごとに集約されます。それぞれの費目名をク

リックすると経費の詳細を確認できます。

受注工事の実行予算額、予算消化額をリアルタイムで

確認することができます。




       

完成工事一覧表

完成工事一覧表では原価の実行予算と実際の工事原価

を確認します。

明らかに利益率が低い場合、見積もりミスなどの内部

原因なのか、材料、人件費の高騰、天候不順による外

注費の増加などの外部要因なのか等原因追及と改善策

を内部で協議しています。

異常値の早期発見と原因追及、改善策、改善行動の定

着が黒字経営には欠かせません。



部門別業績比較  

DAIC2では部門別管理も同時に行うことができます。

部門を請負工事種類や組織ごとなど、当社の基準で部

を作成できます。仮に、事業ごとに部門を設定して

いる場合には、売上の増加、費用の発生状況、費用対

効果など、事業の収益性や将来性を分析することも可

能となります。このような分析は、企業の経営者が経

営方針などを決める上でも、重要な情報となるでしょ

う。部門別会計を適切に行うことによって、売上や原

価、利益といった社内の情報をより細かく把握するこ

とができ、将来の利益予想や予算管理にも役立つこと

が考えられます。その際、職務内容による分類や、支

店・店舗による分類など、部門別に分ける方法として

は何通りか考えられます。

全社業績問合せ【変動費内訳】

全社業績問合せでは当期実績を、前期実績、当期計画

と比較し、売上高の推移、構成比を確認します。

特に、変動費内訳では原価の内訳比率を確認し、材料

費や外注費、直接原価が高騰しているなど、粗利の影

響を注意して確認します。


          


全社業績問合せ【貸借対照表の確認】

 建設業会計では完成し、引渡しが行われるまでの工

事原価は「未成工事支出金」に集約されています。こ

の「未成工事支出金」が増加していると資金繰りが圧

迫されることになります。現預金残高、完成工事未収

入金の回収状況も確認し、資金繰りを確認しています。




          

DAIC2を活用した経営改善事例

【DAIC2導入前】

内装工事業を営むC社は、十分な売上高があるにも関わらず毎月の資金繰りに悩んでいました。原因究明した結果、規模の大きい工事で工期が長期に渡ると担当者が追加材料や工賃を把握しきれずに、工事が終わってから赤字に気が付くことがあるということでした。


【DAIC2導入】

C社ではDAIC2を導入し、材料、外注費を計上する際に現場ごとに振分け、現場工事台帳を作成しました。そして、担当者に外注費等の請求書の工数、金額の妥当性、現場を確認してもらうようにしました。 


【DAIC2導入後】

DAIC2導入後は、経理業務と連動しすぐに現場別原価情報を確認できるため、請求を赤字工事がなくなり、当初計画を上回る利益を確保することができました。さらに、工事利益を受注先ごとに比較すると、利益率に偏りがあることがわかり、利益率の良くない取引先との契約は慎重に行い、見積作成を十分行う取り組みも始めるなど、社長、従業員の意識を変えることができました。

 ~DAIC2は大きい建設業者だけでなく、現場管理を必要としている経営者の見方です~


      建設業、工事業を営む経営者様に対し、ながおか会計が支援していること


 1.黒字経営  

   DAIC2を活用し、現場ごとの原価計算を指導します。現場別粗利管理表とともに収益分析、独自指標により

  経営分析を毎月行い、迅速な意思決定をサポートし黒字経営を支援します。


 2.金融支援

   建設業は季節変動、受注状況、受注工事の契約内容により短期的資金が必要になることがあります。当座貸

  越枠の事前確保、短期融資の際の資金繰り計画作成支援を致します。また、会計計事務所から金融機関へ決算

  書を直接提出する『決算書モニタリングサービス』、事業内容を開示する『ビジネスモデル俯瞰図』を金融機

  関へ提供することで信頼を深め、融資がいつでもスムーズに進むよう支援致します。


 3.経理業務、許可申請事務負担軽減

   DAIC2を導入することで経理業務、工事台帳が同時にできるため、経理担当者の負担を軽減できます。

  また、建設業許可申請に必要な工事経歴書が自動作成され、許可申請をスムーズに行えます。


   

DAIC2とDAIC3クラウドの業務フロー図比較

DAIC3クラウドは複数パソコンから同時入力、問合せができます。